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できることをひとつずつ。

IPv6アドレス手動設定~スタティックルーティング

今回はIPv6について書きました。
初心者の自分でもあとあと見返してわかるように書いてます。
訂正箇所あったらコメントをお願いします。

IPアドレスの種類

IPv4

現行主流(?)のプロトコル。32bit表記。(Ex:192.168.0.1)
リース(割り当て)可能アドレス数:4G(42億9496万7296)個(※実際のリース可能数はもっと少ない)

携帯端末・PCの爆発的普及によってアドレス数の不足・枯渇が懸念される。
(一人当たりのリースアドレス数は1個以下…)

IPv6

次世代プロトコル。128bit表記。(Ex:2001:0db8:0001:0020:0abc:0000:0000:0001)
リース可能アドレス数:約3.4×10の38乗個(事実上無限)

IPv6のメリット

膨大なアドレス数

世界の全人口一人ひとりにアドレスを100兆個割り当ててもまだ余るほどの膨大なアドレス数。
IPv4ではアドレス枯渇対策として、NAT(Network Address Translater)/PAT(Port Address Translation)を使用している。
(※NAT/PATについてはまだ勉強中です…)

プラグアンドプレイによる自動設定

IPv6にはルータからホスト端末にIPアドレスを自動で割り当てるAuto Configulation機能が備わっている。
専門的な知識がなくとも簡単にネットワーク接続が可能。
(※オートコンフィグ機能はまだ検証段階ですが確かに便利でした。)

セキュリティ機能の標準化

IPv4ではオプションでIPSec(IP Security protocol)の実装が可能だったが、IPv6ではIPSecを標準サポートしている。
特別な機器・ソフトウェアを用意しなくともセキュア(暗号化・認証)なネットワーク接続が可能。

相互運用と移行技術

特に大規模ネットワークにおいて、現行で主流となるIPv4からIPv6環境への移行は困難なため、段階的に移行する必要がある。
IPv4IPv6の混在環境を実現するために、相互運用・移行技術が用いられている。

  • デュアルスタック:1台の機器でIPv4IPv6両方のアドレスを設定しIPv4環境とIPv6環境とで相互に通信する技術。

など。

ルータ・仮想端末(VPCS)上でのIPv6手動設定

今回は以下のトポロジで検証を行いました。

f:id:k-matsuda0901:20160419134957p:plain

  • R1設定
R1(config)#ipv6 unicast-routing ←ノードレベルでのIPv6ルーティングの有効化

--FastEthernet側設定
R1(config-if)#ipv6 enable    ←インターフェイスレベルでのIPv6の有効化
R1(config-if)#ipv6 address 2001:db8:0:1::254/64 ←IPv6アドレスの設定
R1(config-if)#ipv6 address fe80::1 link-local  ←リンクローカルアドレスの設定
R1(config-if)#no shutdown    ←アドレス設定の有効化

==GigabitEthernet側設定
R1(config-if)#ipv6 enable
R1(config-if)#ipv6 address 2001:db8:0:2::1/64
R1(config-if)#ipv6 address fe80::1 link-local
R1(config-if)#no shutdown
  • R2設定

R2の設定もR1と同様に行いました。

R2(config)#ipv6 unicast-routing

--FastEthernet側設定
R2(config-if)#ipv6 enable
R2(config-if)#ipv6 address 2001:db8:0:3:254/64
R2(config-if)#ipv6 address fe80::2 link-local
R2(config-if)#no shutdown

==GigabitEthernet側設定
R2(config-if)#ipv6 enable
R2(config-if)#ipv6 address 2001:db8:0:2::2/64
R2(config-if)#ipv6 address fe80::2 link-local
R2(config-if)#no shutdown
  • PC1・2設定
--PC1設定--
PC1>ip 2001:db8:0:1::1

==PC2設定==
PC2>ip 2001:db8:0:3::1

R1~R2間のスタティックルーティング

--R1側設定--
R1(config)#ipv6 route 2001:db8:0:3::/64 gigabitethernet fe80::2

==R2側設定==
R2(config)#ipv6 route 2001:db8:0:1::/64 gigabitethernet fe80::1
PC1~PC2間疎通確認
PC1>ping 2001:db8:0:3::1

PC1>trace 2001:db8:0:3::1

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疎通確認が取れたのでとりあえず一安心です。


小ネタ:IPv6の名前解決

今回、IPv6を検証込みで勉強していて思ったのが、「アドレス入力がめんどい」こと。
CCNAのテキストに載っていましたが、ホスト名とIPv6アドレスのマッピング情報を事前に登録しておくと楽でした。

DNSサーバを利用する方法もあるのですが…肝心のDNSサーバまでは用意できないので、手動でマッピング情報を作成しました。

RT1(config)#ipv6 host RT2 2001:db8:0:2::2 ←「RT2」という名前でIPv6アドレスとマッピング

RT1#show hosts ←マッピング情報の確認

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これでコマンド実行が少し楽になりました。